たじまで農業

活動レポート

集落全体で鳥獣害から農地守ろう

2016.08.04

 野生鳥獣の生態などを理解し農産物の被害を解消・減少させるため、JAたじまと行政などで組織する但馬広域営農団地運営協議会は8月2日、鳥獣害防止対策研修会を養父市立ビバホールで開きました。但馬全域から、集落の農会長や区長、農産物の生産部会の代表など約260人が参加。野生鳥獣による被害の実態、対策の成功事例やジビエの活用方法などを学びました。

160802beast.jpg 研修会は、「集落ぐるみで農地と身を守る」がテーマ。兵庫県鳥獣対策課の上床雄治さんや兵庫県森林動物研究センターの池田恭介さんが、兵庫県の補助事業やモデル地区での対策と効果などを説明。電気柵などを有効に活用するため、集落で管理体制を整え、周辺の草刈りや電圧チェックをしっかり行うことを呼び掛けました。

 朝来市地域おこし協力隊の吉原剛史さんは、農業や狩猟、観光業などを合わせた自身の取り組みを紹介。地域の資源を活用した事業で経済効果や移住への貢献へ意気込みを語りました。

 

160802beast2.jpg また、会場では、箱わなや電気柵などJAによる獣害対策用の資材を展示。JA職員らが、使い方や効果的な設置方法などを説明し、参加者らは興味深く説明を聞いていました。

 同協議会の会長を務める尾﨑市朗組合長は、「耕作放棄地の増加などの影響で、野生鳥獣が人里に姿を現し、農業だけでなく人間への被害も増えている。対策を学び、集落、地域全体で取り組むことが重要だ」と話していました。

 研修会ではこのほか、元近畿中国四国農業研究センターの井上雅央さんが、「集落ぐるみで農地と身を守る」と題して講演。集落の全員が鳥獣害などの知識を持ち、協力して対策することが必要だと訴えました。