たじまで農業

活動レポート

県開発の新品種ナシ 新名称は「なしおとめ」

2016.08.30

 JAたじまと兵庫県梨振興協議会は、兵庫県が開発した青ナシの早生品種「但馬1号」の新たな名称に、豊岡市立五荘小学校5年生の中村太亮さんが考案した「なしおとめ」を選びました。

 同JAと協議会は、「但馬1号」を多くの人に親しみやすく愛されるナシにしようと、平成28年3月に愛称を一般に公募。全国から応募があった1,345点の候補から、生産者、実需者、JAや兵庫県などで構成する選考委員10人が、名前を見たり聞いたりして商品をイメージできるか、名前に独創性があるか、覚えやすく記憶に残りやすい名前であるかなどを考慮し37点を選考。その後、商標登録状況などを調査し10点に絞り込みました。6月に兵庫県但馬県民局の秋吉秀剛局長、香美町の浜上勇人町長と同JAの尾﨑市朗組合長で最終選考を行い、最優秀賞1点と優秀賞2点を決めました。「なしおとめ」は同JAが8月18日に商標登録しました。

 

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(左から)開発者の松浦克彦さん、浜上町長、命名者の中村さんと尾﨑組合長

 

 最優秀賞に選ばれた中村さんは、家族とよく買い物に行くファーマーズマーケットたじまんまで愛称募集を知り応募。「但馬1号」の特長であるみずみずしさから乙女を連想し、何点か考えた候補から最も良いと思った「なしおとめ」に決めました。中村さんは、「まさか選ばれるとは思っていなかったので驚いた。自身が考えた名前が残るのは誇らしく思う。今後、二十世紀をこえる人気のナシになってほしい」と話していました。

 

 「なしおとめ」は、吉香と幸水を掛け合わせた早生の青ナシで、兵庫県が初めて開発、育成した新品種。果実重350から400g程度と大玉で、ほかの品種に比べて果芯が小さく、可食部分が多い。糖度は12から13度で、みずみずしくてさっぱりとした甘味が特長です。8月中旬から下旬に収穫時期を迎えるため、盆の需要や、早生ナシから主力品種の「二十世紀」までの端境期を補えます。美方郡香美町内のナシ生産者で組織する香住果樹園芸組合では、54人が約18haで「二十世紀」を中心にナシを栽培。現在、新植や高接ぎなどで「なしおとめ」の栽培本数を増やしていて、平成30年の夏から本格的な販売を目指します。同JAでは、当面は市場出荷をせず、同町内で漉いた和紙でナシ一つ一つを包んで高級感を演出したり、梨の文字をかたどったロゴマークを用いたりして、付加価値の高いナシとして地元や県内での販売を予定。高級ブランドとして、地元を中心に認知度の拡大をはかります。

 尾﨑組合長は「良質な苗の生産、供給や栽培技術の確立、指導をしっかり行い、生産者とともになしおとめの名前を全国に広めていきたい」と話していました。