酒米「フクノハナ」 安全と豊作願いお田植え式

170523fukunohana1.jpg 産地銘柄として全国で唯一・豊岡市出石町で栽培される酒造好適米「フクノハナ」。JAたじま出石フクノハナ生産部会と蔵元の㈱福光屋(金沢市)の契約栽培が始まって今年で30周年を迎えました。出石町袴狭の水田で5月23日、お田植え式を開き、関係者や地元小学生ら約40人が、1年の農作業の安全と秋の豊作を願って手植えしました。

 「フクノハナ」は昭和45年代前半に各地で栽培されていました。出石町では48年に栽培を始めました。ですが水を吸い過ぎ、蒸米が柔らかくなるため麹にするのが難しいことなどから需要は減少。栽培中止の話もありましたが、この特性を理解し工程を確立していた福光屋の要望で、63年に契約栽培を始めました。今季は86人が約100haで栽培に取り組み、480tの収穫を見込んでいます。作付けの約8割が特別栽培で全量を福光屋に出荷します。

170523fukunohana2.jpg 式には、生産者や福光屋、行政やJAの関係者の他、豊岡市立小野小学校の3年生9人も参加。1列に並び、水田に張ったひもに付いた目印に合わせて丁寧に苗を植えました。

 福光屋の生産本部研究開発部の上松昇次長は、「北陸新幹線の開業から2年。金沢の観光客が増え、日本酒の売れ行きも好調だ。フクノハナを原料にしたお酒は、特有の旨みとコクがある。これからもおいしいお酒を作っていきたい」と話しました。

 吉田準一部会長は、「契約栽培を始めて30年。酒蔵会社の要望に応えられるよう、より良いものを作りたい」と話していました。

 11月には30周年を記念した式典を開く予定です。