新品種早生ナシ「なしおとめ」 収量と品質向上に向け講習会

180625nasiotome.jpg 生産者、行政、JAたじまで組織する兵庫県梨振興協議会は、今夏に本格出荷を迎える新品種の青ナシ「なしおとめ」の増産と高品質化に力を入れています。同協議会で栽培の指導を担う香住果樹園芸組合指導員会は6月25日、栽培講習会を美方郡香美町香住区守柄で開き、生産者約10人が新梢の摘心や誘引の作業を確認しました。

 「なしおとめ」は但馬地域で栽培が盛んな「二十世紀」に比べて、新梢が発生しやすく、果実の着果と生育に優れた短果枝の着生数が多くありません。適切な摘心と誘引は、短果枝の着生を促し、果実の大きさや糖度など品質に好影響を及ぼすことから、同指導員会では講習会を通じて生産者に呼びかけています。

 講習会では指導員が、なしおとめの性質に合った新梢の管理方法について説明。枝の背面から生えた新梢や樹の側面から上向きに生えた新梢は適宜に摘心するよう促したほか、誘引は枝に対して45度くらい角度をつけて、風通しがよく日陰になりにくい方向へ行うよう呼びかけました。参加者は、「新梢の管理は今季の生育だけでなく、来季の収量にも大きく影響する。適切な作業で良い果実を多く実らせたい」と話していました。

 「なしおとめ」は、県が開発・育成した早生品種の青ナシで、現在24人の生産者が新植や高接ぎなどを行い積極的に増産しています。糖度は約13度。芯が小さく食べられる部分が多いのが特徴です。昨季は約300㌔を収穫し、京都の大手百貨店や地元のファーマーズマーケットなどに付加価値の高いナシとして販売しました。今季は約1㌧の収穫を見込んでいます。