コウノトリ育むお米

活動レポート

取り組みの効果を実感 ほ場で生き物調査

2013.07.02

 JAたじまのコウノトリ育むお米生産部会は、6月26日から7月2日まで、但馬全域の同米ほ場で生き物調査を実施しました。部会員264人全員がトノサマガエルの個体数などを調査しました。

 

 同部会では、コウノトリとその餌となる生き物が棲める環境作りを目指したお米の栽培に取り組んでいます。栽培は、農薬の使用を抑えるだけでなく、オタマジャクシがカエルになるまで中干しを延期するといった独特の水管理が特徴です。中干し時期の判断や取り組みの効果を確認するために生き物調査をする必要があることから、昨年、同JAと県、但馬地域の市町が協力して6月26日を「一斉生きもの調査の日」に設定。その後1週間を調査期間とし、但馬全域で調査することを決めました。

 

130626ikimono2.jpg 初日となる26日は、雨にもかかわらず、県や市、JA職員らが部会員立ち会いのもと管内5カ所の基準田で調査を実施。基準田の1つである、河谷営農組合の減農薬ほ場(30㌃)では、カエル類のほか、ガムシ類やイトミミズなど多くの生き物の生息を確認しました。同組合の森垣哲男組合長は、「他の地域の調査結果と比べると、地域によっても見つかる生き物が異なる。本当に多様な生き物を育む農法であることが分かる」と話していました。

 

130626ikimono1.jpg また、一斉生きもの調査の日に先立って、同部会では6月25日に生きもの調査研修会を実施。部会員や行政、取引先の蔵元の田治米合名会社の社員、JA役職員など約30人が出席しました。会では、調査の方法や昨年度の調査の結果を確認したほか、豊岡市祥雲寺のほ場で実際に調査を行いました。研修に参加した田治米合名会社の坂井慶彦さんは、「さまざまな種類の生き物がいて、環境に優しい農法だということを実感した」と話していました。

 

 同部会の稲葉哲郎部会長は、「実際に多くの生き物を確認することで、取り組みの効果を実感できる。今後も取り組みを継続し、同米の普及拡大につなげたい」と意気込みを語っていました。