更なる普及に向けて生産者らが団結深める
設立10年目を迎えるコウノトリ育むお米生産部会は7月29日、生産者の団結力を高め、消費者に求められる米作りを一層推進することを目的に生産者大会を開きました。豊岡市立スポーツ施設日高文化体育館で開いた大会には、生産者、行政やJAたじま職員ら約200人が出席。コウノトリとの共生を目指して人と自然環境に配慮した、同米の更なる普及に取り組むことを確認しました。
同部会は、安全で安心なお米作りとコウノトリが住める環境作りを目指し、但馬全域で生産者288人が約380haで同米を栽培しています。
大会では、同JAの太田垣哲男専務が、「今や世界中で、無農薬栽培米をはじめとした安全・安心でおいしいお米が求められている。JAは、小ロットの特別栽培米などにも対応した新たなカントリーエレベーターの稼働で、これまで以上に生産者を支援していく」とあいさつ。コウノトリの野生復帰に向けた取り組みに尽力する豊岡市の中貝宗治市長は、「後継者不足への対応や輸出に向けた取り組みなど、さまざまな課題の解決に向けて生産者を支えていきたい」と話し、行政も生産者を支えていく考えを示しました。
同部会の今後の取り組みについて、「同米の農法の要件、理念を理解する仲間づくり」、「部会員全員の栽培技術と、食味・品質の向上を目指した活動」、「無農薬栽培の取り組みによる生物多様性への貢献」、「販売促進など消費者との交流を通じた、同米の農法と理念の普及」を決議。同部会の稲葉哲郎部会長は、「生産者、行政、JAと業者などが一丸となって、コウノトリ育むお米の一層の普及拡大に取り組もう」と呼び掛けました。
コウノトリ育むお米の普及拡大を呼び掛ける稲葉部会長
また大会では、イタリアのミラノで開かれている万国博覧会に出展した同米についての報告や、3人の生産者が、個人や集落営農組織での栽培や、女性の参画などについての発表、株式会社山田屋本店の秋沢淳雄代表取締役社長が、「東京市場から見た『コウノトリ育むお米』の可能性~作る責任・売る責任・伝える責任~」と題した講演などを行いました。
栽培について発表した、生産者の青山直也さん(左)、野世英子さん(中央)、村上彰さん
記念講演を行った秋沢社長