病気、害虫に負けないぞ

 野菜を作っていると必ずと言っていいほど直面するのが、病気や害虫の問題です。できる限り農薬に頼らずに育てたいと思う方は多いですが、野菜が病気や虫害にかかってしまうと、被害は畑全体に広がってしまい、全く収穫できなくなってしまうかもしれません。時には薬剤の散布も重要です。収穫の喜びを奪われないよう、しっかり予防しましょう。

 

◎基本対策 

病害虫の発生源、感染源を減らしましょう

 雑草が多いところは、虫にとって快適なすみかです。大切な畑を害虫のすみかにしないために、畦など周辺の雑草は刈り取りましょう。また、収穫が終わった野菜の残さも病害虫のもとになります。畑に残さず、持ち出して処分しましょう。

 

健康な野菜を作りましょう

 野菜も人間と同じ様に、健康なものは病害虫の被害を受けにくいです。次の点に注意して、健康な野菜を作りましょう。

適当な植え付け間隔

 葉に日光がよく当り、茎葉の間の風通しを良くするため、株間を広くとりましょう。

適度な施肥

 肥料をやり過ぎると軟弱に育ち、病気にかかりやすくなります。一方、肥切れしても病気にかかりやすくなります。肥料は、生長の具合を見ながらやりましょう。

排水対策

 排水が良くないほ場では常に土壌が湿っていて、根が腐ったり病気にかかりやすくなったりします。畝を高くする、排水溝を作るなどして、排水を良くしましょう。

 


接触感染を避けましょう

 飛来した害虫や、病気になってしまった株との接触によって、病気などが感染することもあります。

 害虫の飛来を防ぐもっとも確実な手段は、防虫ネット等を使って物理的に遮断してしまう方法です。アブラムシ等は反射光を嫌う性質があるため、反射テープや銀色マルチで防ぐ方法もあります。

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 病気の場合は、病気の株や葉、果実を早めに取り除くことが大切です。土の中に生存して茎や葉に移る病原菌も多いので、敷きわらやマルチをして、降雨時の下葉への土の跳ね上がりを防ぐのも有効です。

ワンポイントアドバイス
プランター栽培など本数が少ない場合、スプレーで牛乳を少し多めに噴射するだけでアブラムシが退治できます。コツは天気の良い日の朝に噴射して、良く乾かす事です。牛乳が乾いたときに出来る膜でアブラムシを窒息させます。

農薬使用の基礎知識 

 このように対策していても、天候や管理が行き届かないなど様々な理由によって病気や害虫が発生してしまう場合があります。そんな時は、初期発生の段階でいち早く農薬を使って対処しましょう。早い段階での迅速な対応が、少ない農薬で効果をあげるコツです。

 農薬は、使用できる作物、希釈の倍率、使用の時期や使用できる回数などがそれぞれ定められていて、薬剤ごとに異なります。薬剤を使う時は、ラベルをよく読んで正しく使いましょう。

 

◎農薬の使い方 

病気の場合

 病原菌の侵入しやすい下葉や病斑の出始めているところを重点的に、葉の裏側を狙って散布します。次第に上の方に進み、最後に株全体の葉の表面にさっとかけるようにしましょう。病原菌の多くは雨上がりに広がります。雨がやんだら、できるだけ早く散布することが望ましいです。

 

害虫の場合

 目で確かめ、虫がいるところに集中的に散布しましょう。播種や定植の時に土壌施用の粒剤を用いると害虫の発生が抑えられ、高い防除効果が期待できます。粒剤の使用にあたっては、適用作物、時期、量を確認しましょう。

注意!!

農薬を散布する時は、防除衣、マスク、ゴーグルや手袋など、保護具をしっかり着用しましょう。農薬は鍵のかかる専用の保管庫に入れて管理し、使い終わった容器は適正に処理してください。

 また、住宅域、水域や周りのほ場などに農薬が飛散することがないよう、周りの環境への配慮も心がけましょう。