連作障害を防ぐ

 野菜を同じ場所で連続して栽培することで生育が極端に悪くなったり、枯れてしまったりする現象を、連作障害といいます。連作障害について知り、より良い野菜づくりに生かしましょう。

 

連作障害の原因

①前に作った野菜に寄生していた病害虫が土の中に残り、次に植えられた同じ種類の野菜を害する

②前に作った野菜の根から分泌された特殊な成分が土の中に残り、それが次に植えた野菜に悪い影響与える

③土中の肥料成分が極端に不均衡になっている

など、さまざまな原因が考えられます。いずれにしても、同じ種類の野菜を毎年、同じ場所で作ることは、決して良いことではありません。

 

野菜の相性

 野菜の種類によって、連作障害が出やすいものと出にくいものがあります。また、連作障害が出やすい野菜でも、十分な期間を空ければ同じ場所でも栽培できます。

 

連作を嫌う野菜とその作付の間隔
野菜の種類 作付を空ける理想の年数
エンドウ・ナス・スイカ 6~7年
サトイモ・トマト・ピーマン・トウガラシ 4~5年
キュウリ・インゲン・レタス・ハクサイ 2~3年
ホウレンソウ・小カブ 1年

連作障害の出にくい野菜は、サツマイモ、カボチャ、ニンジン、タマネギ、ネギなどです。一方で、同じ野菜でなくても、植え付けの前後で相性の悪い野菜もあります。

 

連作による相性の悪い組合せ
前作の野菜 相性の悪い後作
ナス トマト・ジャガイモ・ピーマン
エンドウ ホウレンソウ
ナス・ハクサイ サツマイモ・ダイコン
サツマイモ カブ
キュウリ ニンジン
ジャガイモ エンドウ
ダイコン ピーマン

 

 

連作障害にならないために

 家庭菜園の限られた農地でも、工夫をすれば連作障害を防ぎつつ、野菜を作る楽しさを味わうことができます。連作障害を少しでも防ぐための方法を紹介します。

 

◎接木苗や耐病性の品種を利用する

接木苗とは、病害に強い種類を台木として、栽培する苗を接いだものです。少しでも連作障害を出にくくするためには、接ぎ木苗を使うのも効果的な手段です。

(キュウリ、ナス、ピーマン、スイカなどで接木苗があります)

 

◎輪作を行う

いくつかの異なる種類の野菜を、同じほ場で作り回す方法です。後作に相性のよい野菜を組み合わせることで、連作障害にかかりにくくなります。

後作による相性の良い組合せ
前作の野菜 相性の良い野菜
トマト キャベツ・ブロッコリー・ネギ
ナス カボチャ・トウモロコシ
キュウリ トウモロコシ・タマネギ・ホウレンソウ
ダイコン ネギ・エンドウ
タマネギ トマト・キャベツ・ダイコン・スイカ
ニンジン ハクサイ・タマネギ・キャベツ
トウモロコシ トマト・ハクサイ・ブロッコリー