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田植えと飛翔するコウノトリの写真
田植えと飛翔するコウノトリの写真

コウノトリ育むお米 コウノトリ育むお米

日本では昭和46年に絶滅した
野生のコウノトリ。
その最後の生息地となった但馬地域では、
絶滅要因を真摯に受け止め、
コウノトリが大空を舞う風景を
取り戻すための環境整備が進められ、
平成17年に5羽のコウノトリが
放鳥されました。
こうした取り組みのなかで確立した
「コウノトリ育む農法」で
作られているのが
「コウノトリ育むお米」です。

コウノトリの野生復帰を目指して

 豊岡市でコウノトリの保護活動が 始まったのは昭和30年のこと。人工巣塔の設置や環境保全などが試みられましたが、努力はなかなか実を結ばず、昭和40年に人工飼育がスタートしました。「いつか必ず、大空に帰してあげるから」― 野生のコウノトリを檻に入れるとき、豊岡の人々は心に誓ったといいます。その後、野生のコウノトリは絶滅しましたが、平成17年に人工飼育された5羽のコウノトリが豊岡の空に解き放たれ、野生復帰への第一歩が記されました。

 放鳥されたコウノトリが野生復帰し、安全に暮らすためには、絶滅を招いた要因を改善し、田んぼを餌場として機能させる必要がありました。そこで、慣行栽培の農法を見直し、農薬や化学肥料を削減した米づくりがスタート。おいしいお米と多様な生き物を育み、コウノトリも住める豊かな文化・地域・環境の実現を目指す農法として「コウノトリ育む農法」と呼ばれています。

村田 憲夫さんの写真 コウノトリ育むお米生産部会長 村田 憲夫さん
消費者とコウノトリの
安心・安全を追求する米づくり

 コウノトリ育む農法は、諸先輩と行政、たじま農協が三位一体となり、消費者とコウノトリの安心・安全を追求してきた農法です。

 野生では一度滅んでしまったコウノトリを再び大空へ放鳥するという物語を紡いできた農法を通じ、仲間と耕作面積を増やしてきました。令和3年度からは「ビオトープ米プラス」の作付けもスタート。消費者のニーズにあったお米づくりを目指すとともに、コウノトリが住める圃場の拡大に挑戦していきます。

コウノトリの写真

「コウノトリ育む農法」確立への道のり

「コウノトリ育む農法」では、生き物が生息しやすい環境をつくるために、冬の田んぼにも水を張る「冬みず田んぼ(冬季湛水)」をはじめとする水管理、化学肥料の不使用、無農薬または減農薬(魚毒性の低いものに限る)での栽培を実践。現地での試験や調査を繰り返し、現場での解決が困難な課題については試験研究機関とも連携して解決を図り、体系化が進んでいます。今も発展途上の農法ですが、生産者、県や市、JAによる三位一体の普及体制により、但馬地域の米づくりの一つとして確立しつつあります。

コウノトリ育むお米の写真
店頭に並ぶ
「コウノトリ育むお米」

作付面積の拡大と販路・販売の拡大が課題

 今後の課題は、現在、但馬の水稲作付面積の約10%しかない「コウノトリ育む農法」の面積の拡大です。安全・安心でおいしい米づくりを実践する仲間づくりを進めています。加えて、産地交流会などを通じて、「コウノトリ育む農法」の理念や、コウノトリが暮らせる環境づくりが未来につながっていくという持続的な価値を伝える活動も行っています。

 また、「コウノトリ育むお米」をその価値とともに少しでも多くの消費者に届けたいという思いから、JAによる直接販売に取り組んでいます。国内では東は関東、南は沖縄県で販売しており、海外では8か国に定期輸出をしています。引き続き、インターネット販売などさらなる販路・販売の拡大に取り組んでいきます。

 「コウノトリと共に暮らす」―これが但馬の原風景。この風景を未来永劫保つことが人々の安全・安心な食と暮らしにつながるという自負のもと、これからも「コウノトリ育むお米」の取り組みを続けていきます。

コウノトリの写真
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