野菜作りは土づくりから

 

おいしい野菜を育てるためには、基本となる「土」を良くすることが必要です。今回は土づくりの基本をお教えします。

 

土づくりの必要性

土には、野菜にとって必要な水分、養分、空気がバランスよく含まれていることが大切です。土は細かい粒が集まってできています。粒と粒との間に小さな隙間がある状態を「団粒構造」といい、そのすき間を水や空気が通ります。つまり、団粒化している土ほど水や空気が土全体に行き渡りやすくなります。

 

良い土とは

良い土とは、水はけ、水もちが良く、堆肥のような有機物を多く含んでいる土のことです。粘土を多く含んだ重い土から、砂のようにさらさらした軽い土まで、いろいろな土がある中で、重くも軽くもない中間の土「壌土」が、野菜作りに適しています。

良い土の5条件
 1.通気性と排水性が良い
 2.保水性・保肥性に優れている
 3.適正な酸度である
 4.異物が混ざっていない
 5.微生物が多く含まれている

 

大切な土の三相

土を手に取ってみると、砂や粘土、砕けた枯れ葉やごみなどがあることが分かります。このような土の本体部分を「固相」といいます。

土がカラカラに乾いていないと、手に湿りけを感じます。この水分を含む部分を「液相」といいます。

また、土を水の中に入れると、ブクブクと泡が出ます。これは土中に含まれる空気で、「気相」といいます。

土はこの固相、液相、気相の三相からできていて、その割合が土の良しあしを決め、野菜の生長を左右します。ただし三相の割合は一定でなく、起こした直後と収穫後では大きな差があります。堆肥など有機物を施して土の団粒化を安定させることで、この差を小さくできます。団粒化された土は、大きなすき間と小さなすき間を適度に含み、通気性、保水性ともに優れ、そのうえ保肥力も良いので、野菜を育てるには理想的な状態といえます。

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植え付けまでの作業

 土づくりは、種まきや植え付けの予定日を決め、そこから逆算して考えましょう。畑の空いた冬の間に、よく耕して寒気にさらすことで、排水、酸素補給、そして病害虫や雑草対策に有効です。また、2年に1回くらいは、30㎝以上深く耕しましょう。

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 例)

作業の目安 作業内容
約30日前 堆肥(完熟堆肥など)の散布・耕耘
約10日前 アルカリ資材(消石灰・有機石灰など)の散布・耕耘
約3日前 元肥散布・耕耘・畝立て
作付予定日 種まき・植え付け

※堆肥の散布と同時にアヅミンを散布すると、より土づくりの効果が期待できます