閉じる
スゴイぞ!たじま

コウノトリ育む農法

コウノトリを再び、日本の空へ!
野生復帰にかける想いと取り組み

「コウノトリ」とは

「幸福を運ぶ鳥」として知られるコウノトリは、ロシア極東地域から中国、韓国、日本などに約2,000羽あまりしか生息していない貴重な鳥です。ツルやサギのような姿で、大きさは、立った状態の体高で約1m、両翼を広げると約2m。体重は4~5kgほど。体全体は白く、くちばしと羽のうしろ側にある風切羽が黒いことがコウノトリの特徴です。おもに川や田んぼに住むフナやドジョウ、カエルやヘビ、バッタなどを食べて生きています。

たじまとコウノトリの関係

日本のコウノトリは昭和46年に絶滅しています。最後の生息地となったのは、兵庫県北部・たじまの中心に位置する豊岡市。豊岡の人々は「コウノトリを再び空へ」という強い想いを胸に、生息地域の保全活動を中心とする野生復帰への取り組みを開始。それから約50年を経た現在までに、100羽を超えるコウノトリが野生復帰を果たし、かつてのようにたじまの空で優雅に羽ばたいています。

コウノトリ 絶滅の原因

明治時代以前、コウノトリは日本各地に生息していましたが、明治から昭和初期の乱獲でその数は大きく減少。戦後には農薬・化学肥料の使用、水田の乾田化、河川の護岸コンクリート化などが進み、エサとなる生き物の多くが姿を消しました。さらに、エサとなる生き物にも有機水銀が蓄積されており、それを食べて命を落とすコウノトリも現れるようになりました。そして昭和46年、豊岡市で最後の1羽が死に、日本のコウノトリは絶滅したのです。

コウノトリとの約束

豊岡市でコウノトリの保護活動が始まったのは、昭和30年のこと。人工巣塔の設置、環境保全、人工飼育などの努力は実りませんでした。コウノトリの人工飼育に踏み切ったのは、昭和40年。野生のコウノトリを檻に入れるとき、豊岡の人々はコウノトリと約束を交わします-「いつか必ず、大空に返してあげるから」。それから40年後の平成17年、豊岡の空に5羽のコウノトリを放鳥。約束を果たすための取り組みは、これからも続いていきます。

活動の紹介 その1

コウノトリが安心して巣作り、子育てができるように、高さ12.5mの人工巣塔を作ったり、田んぼに水がない時期にも、コウノトリがエサとなる水生生物を捕まえられるように、湿地やビオトープを作ったりしています。

活動の紹介 その2

後継者不足などの理由で使われなくなった田んぼ(放棄田)を整備し、コウノトリの餌場として活用しています。地域住民とNPO、大学などが力を合わせて、コウノトリが暮らしやすい自然の再生に取り組んでいます。

活動の紹介 その3

お米や野菜などを栽培する生産者の間で、農薬や化学肥料をできる限り使わない、人と自然の共生を目指す農業が広がっています。JAたじまでは一定の基準を定めた「コウノトリ育む農法」の普及に力を入れています。

コウノトリの放鳥・野生復帰へ

日本のコウノトリの絶滅から9年後の昭和60年、ロシア・ハバロフスクからコウノトリの幼鳥6羽が豊岡市に贈られ、人工繁殖がスタートします。平成元年の最初のヒナ誕生以降は毎年ヒナが生まれ、平成14年には飼育コウノトリが100羽超に。そして平成17年、ついに5羽のコウノトリが豊岡の空に解き放たれ、野生復帰への第一歩が記されたのです。そこまでに、保護活動開始から50年、人工繁殖開始から25年もの歳月が流れていました。

コウノトリとの共生への取り組み

試験放鳥から10年以上が経過した現在、たじまの空を舞う野生のコウノトリ、飼育されているコウノトリのそれぞれが100羽を超え、順調に数を増やしています。日本全国でコウノトリの姿が見られるよう、多様な生き物が暮らせる環境づくりと、その活動を応援してくれる人々・地域を増やし、広げていくことが必要です。そのために、JAたじまは環境への負荷軽減と安全・安心な農作物の生産を実現する「環境創造型農業」を推進していきます。

コウノトリを守り・育てるために
たじまでしかできない米づくりを

おいしいお米を育てながら、「コウノトリを再び、日本の空へ」の想いを形にするために、たじまの生産者が積極的に推進するのが「コウノトリ育む農法」です。コウノトリを愛するたじまの生産者は、人と自然が共存できる本来あるべき農業の在り方を実践しています。

「コウノトリ育む農法」とは

「コウノトリ育む農法」とは、おいしいお米と多様な生き物を育み、コウノトリも住めるゆたかな文化・地域・環境づくりを目指すための農法です。たとえば、生き物が生息しやすい環境づくりのために、冬の田んぼにも水を張る「冬季湛水」の実施、育苗段階からの有機質肥料の使用、無農薬または減農薬(魚毒性の低いものに限る)での安全・安心な栽培など、様々な技術を採用。コウノトリのエサとなる生き物を育て、コウノトリを守り、ゆたかなたじまをつくります。

「コウノトリ育む農法」の1年

春の田んぼでは、アメンボやオタマジャクシなどの生き物が生まれます。そこで、田植えの1ヶ月前には田んぼに水を張る「早期湛水」を実施します。初夏にさしかかると、メダカやドジョウ、ヤゴなどの生き物が姿を見せます。田んぼの水温が20℃になる5月20日以降に田植えを行い、それから約40日間は田んぼの水を深くする「深水管理」を行うことで、生き物たちが暮らしやすい田んぼをつくります。

オタマジャクシがカエルに、ヤゴやトンボに成長する夏には、田んぼの水位を下げて「中干し」を行います。その後、田んぼには稲の生育に必要な水を入れ、稲刈りの2週間くらい前から自然落水させます。秋は稲刈りの季節ですが、この頃になると成長したカエルやクモ、カマキリが稲を食い荒らすカメムシ、ゾウムシなどの害虫を補食してくれます。生き物たちの助けを借り、すくすくと育った稲を刈り取ります。

「コウノトリ育む農法」では冬にも水を張るために、稲刈り後の田んぼに漏水を防ぐ畦をつけたり、土に生きる微生物のエサとなる有機物を散布したりします。たじまに冬が訪れる頃、田んぼに残ったワラが浸かるくらいまで、田んぼに水を張ります。これを「冬季湛水」といいます。「冬季湛水」を行うことで、冬の間に微生物の働きなどにより、ゆたかな土壌ができます。また、水辺の生き物が暮らせるため、冬の間もコウノトリがエサを確保できます。

「コウノトリ育むお米」をお買い求めいただくと、
売上の一部が「コウノトリ保護育成基金」として寄付されます。

コウノトリ育むお米とは

コウノトリの野生復帰に貢献する「コウノトリ育む農法」で栽培された、たじまのおいしいお米が「コウノトリ育むお米」です。可能な限り、自然のままの田んぼで栽培・収穫された安全・安心なお米は、ふっくら・やわからで、粘り強く、冷めてもおいしいという特長があります。

受賞歴など

「コウノトリ育むお米」は、その取り組みが評価され、日本の優れた文化・産業を国際的な視点で評価する「クールジャパンアワード2017」を受賞。また、JAたじまは、有機質肥料・無農薬で育まれた「コウノトリ育むお米」で、全国のJAで初めて国際的な安全・安心の基準「GLOBALGAP」のグループ認証を取得しました。

~その他の受賞歴~

第1回 生物多様性日本アワード特別賞
第12回 グリーン購入大賞環境大臣賞
第42回 日本農業賞(第9回食の架け橋賞)
ミラノ国際博覧会 出展/日本館フードコート使用