食農・地域貢献

活動レポート

児童らがコウノトリ育むお米の田植え 環境守る農業学ぶ

2015.05.21

 豊岡市立城崎小学校の3年生児童27人は5月20日、豊岡市城崎町戸島のほ場で田植えを行いました。児童らは今年度、知識だけでなく実際に環境保全の取り組みや農業を体験して学ぼうと、農事組合法人戸島営農組合やJAたじま豊岡営農生活センターと協力して、水稲の栽培に初めて挑戦します。

 

150520kinosakies.jpg 児童らが栽培するのは、慣行栽培に比べて農薬や化学肥料を減らし、独自の水管理をすることで、コウノトリの住める豊かな自然環境と安全で安心なお米を同時に作る「コウノトリ育むお米」(減農薬コシヒカリ)。

 児童らは苗を持って田んぼに入り、営農組合の組合員やJA職員に教わりながら、一直線に張った紐の目印に沿って丁寧に苗を植えていきました。初めての体験に最初はとまどっていた児童も、次第に慣れて「田んぼの土の感触が気持ちいい」、「もっとたくさん植えたい」などと話していました。

 今後は稲刈り体験を予定しているほか、毎月ほ場の様子を観察したり地域の農家の話しを聞いたりして、生き物の育つ環境や地域の農業とその役割などについて学びます。

 

 同営農組合の由留佐眞一朗組合長は「事前に学校などで学んだことを、農業の体験を通じて改めて確認したり違いを見つけたりして、さらに理解を深めてほしい」と話していました。

 同校は、ラムサール条約に登録された円山川下流域に位置し、学区内には、コウノトリなどの野鳥の生息拠点として知られる「ハチゴロウの戸島湿地」があります。湿地にはミズアオイが大量に群生するなど、稀少な植物、昆虫や魚類が生息し多様な生態系を有しているため、同校では環境学習の一環として、生物の多様性や環境を守る取り組みや地域の農業などについて学んでいます。