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コウノトリの様子 アーカイブ

2009年1月20日

コウノトリって?



 体長1.1メートル、体重4~5キログラム、羽を広げると2メートルにもなる大きな鳥です。 田んぼや水路などで、ドジョウ、フナなどの魚類やカエル、ヘビ、バッタなどの生きた小動物を食べています。 飼育中のコウノトリは、1日に500グラムのエサを食べます。(写真提供:岡 治氏)

2009年1月27日

コウノトリの野生復帰が目指すもの

 平成17年(2005年)9月、日本の自然界で一度は姿を消したコウノトリが、40年にも及ぶ人工飼育を経て、再び豊岡の空にはばたきました。
 一度消滅した野生動物を飼育下で繁殖させ、かつての生息地である人里に帰していくことは、世界にも例のない壮大なプロジェクトです。
 膨大な時間とエネルギーとコストをかけて、それでも豊岡がコウノトリの野生復帰の取組みを続けてきたのはなぜでしょうか。豊岡は何を目指しているのでしょうか。


コウノトリとの”約束”を果たす
 私たちは、絶滅の危機に瀕していたコウノトリを救う最後の手段として、野生のコウノトリを捕獲して人工飼育する道を選びました。コウノトリを檻の中に閉じ込めたとき、「いつか、きっと空に帰す」と約束しました。
 約束は果たされなければなりません。

 コウノトリの捕獲


種の保存に関し、国際的な貢献を行う
 コウノトリ(Oriental white stork)の数は、世界でわずか2,500羽~4,000羽にまで減っているといわれています。
 コウノトリが安心して生息できる環境を保存、再生、創造していくことにより、日本最後のコウノトリの生息地として果たすべき国際的役割を担っていきます。

平成19年 コウノトリの自然界での巣立ち(国内では46年ぶり)


コウノトリも住める、豊かな環境をつくる
 コウノトリは里の自然生態系の頂点に立つ肉食の鳥です。コウノトリが野生で生息するためには、里山や田んぼ、川や水路に多様で膨大な生きもの(エサ)がいる「自然環境」が必要です。
 また、私たちの心と体に深く染み込んだ生活様式と価値観が、環境を破壊しコウノトリを絶滅に追い込んでいきました。コウノトリを暮らしの中に受け入れていく「文化環境」を再生することも必要です。
 コウノトリも住める豊かな環境(自然と文化)は、人間にとっても持続可能で健康的に暮らせる環境であるに違いありません。

コウノトリのとなりで農作業

2009年2月 4日

朝もやに15羽のコウノトリ


            ▲堀川橋南側に飛来した15羽のコウノトリ

 このブログの開設前、1月16日の豊岡の様子です。
 気温が氷点下になった、とても寒い朝でした。
 朝もやを避けるように日が差し込む中、円山川に架かる堀川橋の南側(豊岡市小田井町付近)に15羽のコウノトリが飛来し、羽を休めていました。
 このコウノトリは、時折、餌をついばむようなしぐさやクラッタリング(※)をしながら、通勤・通学する私たちを横目に、朝の優雅なひとときを過ごしていました。
 写真では、15羽のコウノトリがいますが、一時は、17羽飛来していたといわれています。

※ クチバシをカタカタと打ち鳴らしてコミュニケーションをとる行動


          ▲餌をついばむようなしぐさを見せるコウノトリ

2009年2月16日

6つの卵が産まれました

 2月12日、豊岡市百合地の巣塔に6つの卵が産まれていることが分かりました。
 2月上旬からコウノトリが巣に伏せる時間が長くなり、卵を抱いている可能性が高くなったので、兵庫県立コウノトリの郷公園の研究員が高所作業車で確認したものです。

 産卵したペアは、一昨年と昨年も同じ巣塔で産卵し、ヒナを巣立たせました。
 今年も、自然界での巣立ちが期待できそうです。(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年2月26日

赤石の巣塔で産卵の準備

 2月21日、豊岡市赤石の巣塔で2羽のコウノトリが仲良く休憩している様子です。
 この2羽は、いずれも平成18年に円山川河川敷から放鳥したJ384(平成16年4月生まれのメス)とJ389(平成16年5月生まれのオス)で、昨年も別の巣塔で産卵し、ヒナを巣立ちさせました。


 こんなふうに近くの田んぼにある木の枝や草を運び、巣を作っています。
 百合地の巣塔に続き、もうすぐ産卵かもしれませんね。

2009年3月 2日

ハチゴロウの戸島湿地で産卵

 2月28日、豊岡市城崎町戸島の「ハチゴロウの戸島湿地」内の巣塔に卵(1つ)が産まれていることが分かりました。
 
 コウノトリ湿地ネット(コウノトリが餌を採る湿地をつくったり、コウノトリの観察をしている団体)のメンバーが、ハチゴロウの戸島湿地の南東の山に登って確認されました。

 産卵したペアは、J391(平成16年生まれのオス、平成19年放鳥)とJ294(平成13年生まれのメス、平成17年放鳥)です。

 このペアは昨年も同じ場所で産卵、子育てし、3羽のヒナを巣立ちさせました。

 これから、2つめ、3つめ、、、の卵が産まれ、それらが順調に孵化・生育することを期待しています。(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年3月12日

2羽の赤ちゃん誕生


 
 3月12日午前9時48分、豊岡市百合地の巣塔で2羽のヒナが孵化していることが分かりました。

 前日にJ228(母親)が卵の殻を巣の外に捨てていたので、兵庫県立コウノトリの郷公園の研究員が高所作業車で確認したものです。

 また、残りの4つの卵も無事であることが分かり、今後の孵化が期待されます。
 
 ヒナの両親(J228(平成10年産まれのメス)とJ275(平成12年産まれのオス)・いずれも平成18年に河谷放鳥拠点から放鳥)は3年連続の子育てです。
 がんばれ!!   (写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年4月 7日

ハチゴロウの戸島湿地で4羽の赤ちゃん誕生

 4月3日午前8時18分、豊岡市城崎町戸島の「豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地」にある巣塔で3羽のヒナが孵化していることが分かりました。さらに4月6日にはもう1羽、計4羽のヒナが孵化し、元気でいることが観察されています。

 この巣塔では2月28日に1つ、3月10日にさらに3つ、計4個の産卵が確認され、オス・メスが交代で温めていました。
 
 このペアは昨年も同じ場所で産卵、子育てし、3羽のヒナを巣立ちさせました。今年もがんばってエサを運び、子育てをすることが期待されます。

 6月上旬ごろに予想される巣立ちまで、子育ての様子をハチゴロウの戸島湿地管理棟などから観察することができます。
 城崎温泉駅徒歩15分のこの湿地にぜひお越しください。(休園日は火曜日です。) (写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年4月15日

伊豆の巣塔で産卵

 4月9日、豊岡市出石町伊豆にある巣塔に卵が産まれていることが分かりました。
 
 この巣塔には事前に小さなカメラが設置されていて、その映像によって確認されました。
 いつもと違って巣全体の写真ではないので見づらいと思いますが、上の写真の上部に卵が一つ映っています。

 産卵したペアは、J296(平成13年生まれのメス・平成17年放鳥)とJ381(平成16年生まれのオス・平成18年放鳥)です。

 このペアは昨年も同じ場所で産卵・子育てし、1羽のヒナを巣立ちさせました。
 13日(月)には、午前中はオスが卵を抱き、午後はメスが卵を抱いたことが観察されています。(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年4月30日

野上の巣塔で3羽誕生


(提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

 4月28日、豊岡市野上の電柱の上に設けられた巣塔で3羽のヒナが孵化していることが分かりました。
 
 ヒナの両親はJ362(平成15年生まれのメス・平成17年にコウノトリの郷公園から放鳥)とJ001(平成18年生まれのオス・平成18年に祥雲寺拠点から放鳥)です。

 このペアは電柱に巣を作ったので安全のために巣を撤去されていましたが、撤去してもすぐに巣を作っていました。

             電柱につくられた巣

 そこで、関西電力さんが電柱の上部に巣台を取り付けたところ、そこで産卵し、4月23日には親鳥が餌を吐き出す様子が観察されていました。

             電柱の上に設置された巣台

 このペアは昨年もすぐ近くにあるコウノトリ保護増殖センターのケージの上で子育てし、1羽のヒナを巣立ちさせています。

 近くには巣塔があるので、そっちを使ってくれたらいいのですが、、、。
 
 けど、まずは無事に巣立つことを願っています。

2009年5月13日

伊豆の巣塔で2羽誕生

 5月12日9時44分、豊岡市出石町伊豆の巣塔で2羽のヒナが孵化していることが分かりました。

 この巣塔には以前から小さなカメラが設置されていましたが、その映像により2羽のヒナと2つの卵があることが確認できました。(写真中央上部にヒナの頭が、ヒナの右(親鳥の足下)に卵が見えます。)

 この日の朝には、親鳥がヒナにカエルを与えている様子が観察されています。

 親鳥は、J296(平成13年生まれのメス・平成17年放鳥)とJ381(平成16年生まれのオス・平成18年放鳥)で、去年と同じ場所での子育てです。(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年5月21日

伊豆の巣塔でさらに1羽誕生し、3羽に。

 5月18日、豊岡市出石町伊豆の巣塔でさらに1羽のヒナが孵化したことが分かりました。
 
 この巣塔では12日に2羽が孵化したことが確認されていて、現在3羽のヒナが元気に育っています。

 また、この写真では分かりづらいのですが、3羽のヒナの横に卵が1つあることも分かっています。(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年5月22日

田植えの田んぼにはエサがいっぱい

 田植えをした田んぼや、田植えの準備をしている田んぼに降りるコウノトリ。小さなエサがたくさんいるようで、休まずにパクパク食べていました。

 苗を運ぶ農家の人が近くを通っても平気。コウノトリに見とれて、大事な苗を落とさないでね。

2009年5月26日

百合地地区のヒナが巣立ち

 5月24日(日)午後3時48分、豊岡市百合地地区の巣塔のヒナが巣立ちました。野外でのヒナの巣立ちは一昨年(国内の自然界では46年ぶりの巣立ち)から3年連続です。

 このヒナは約17分飛行し、親鳥の近くに降りました。

 翌日には、親鳥からエサをもらったり、自分でミミズなどをとっている様子が目撃されています。

 ヒナの両親(J228(平成10年産まれのメス)とJ275(平成12年産まれのオス)・いずれも平成18年に河谷放鳥拠点から放鳥)は3年連続でヒナを育て、巣立ちさせました。まだ完全に手が離れるわけではありませんが、ひとまず、お疲れさま。 (写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年5月27日

巣立った幼鳥を見守る親鳥

 5月25日(百合地地区巣塔からの巣立ちの翌日)、親鳥が幼鳥を見守っている様子が目撃されています。

 左の電柱に止まっているのは巣立ちをした幼鳥。右の電柱に止まっている2羽はその幼鳥の両親です。(場所は平成16年の台風23号で決壊した円山川の堤防付近)

 巣塔近くの田んぼ上空を親子で飛行したり、

 田んぼでエサを採っている親鳥の近くに幼鳥が舞い降りています。

2009年5月28日

ハチゴロウの戸島湿地で子育て観察

 ハチゴロウの戸島湿地管理棟の望遠鏡で見たコウノトリの子育ての様子です。この湿地では、湿地内の巣塔で子育てをしているコウノトリの様子を、ゆっくり・じっくりと観察することができます。
 すっかり大きくなった2羽のヒナとヒナを見守る親鳥。この様子が見られるのは巣立ち(6月上旬の見込み)までです。


 
 ハチゴロウの戸島湿地の南側上空から撮影した写真です。
 写真中央に水を湛えている四角い部分がハチゴロウの戸島湿地。その上(北)側に管理棟があります。
 写真左下から中央上に流れるのは円山川。その左側は城崎温泉街。城崎温泉街から湿地まで徒歩15分くらいです。

 城崎温泉に泊まって、コウノトリの子育てと、ゆったりと流れる円山川・新緑の山々・田植えが終わって水を湛える田んぼをゆっくりご覧ください。

豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地(写真は管理棟)
 兵庫県豊岡市城崎町今津1362番地 ℡0796-20-8560
 開場時間:9:00~17:00
 休場日:火曜日(休日と重なった場合は翌日)及び年末年始
 入場料・望遠鏡使用料 無料(ワンコインの環境協力金にご協力ください)

2009年6月 5日

豊岡に帰ってきた?

▲田んぼの中を歩くJ0009

 昨日(6/4)、昨年7月2日に豊岡市城崎町戸島の巣塔から巣立ったコウノトリ(個体番号:J0009)がおよそ9ヶ月ぶりに豊岡で目撃されました。豊岡市福田や新堂の田んぼでエサを採ったり、羽繕いをしている様子が観察されています。

▲田んぼでエサ採り

 このコウノトリは昨年の巣立ち後、奈良県安堵町や兵庫県三田市で目撃され、昨年9月9日には豊岡市出石町三木にいることが確認されました。その後、愛媛県今治市、西予市を経て兵庫県上郡町に行き、上郡町では住民票を発行されました。

 コウノトリの観察をしている方が探されましたが、本日は見つからないようです。昨年9月に目撃されたのは1日だけ。もしかすると、またどこかに行ってしまったのかもしれませんね。(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年6月 9日

ハチゴロウの戸島湿地から巣立ち

 6月9日午前6時38分、豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地(豊岡市城崎町戸島)の巣塔のヒナのうち1羽が巣立ちました。
 この巣塔での巣立ちは昨年から2年連続です。
 

▲巣塔近くの湿地に降りたった幼鳥

▲巣塔の近くを飛ぶ幼鳥

 この巣塔では4月3日と4月6日に合わせて4羽のヒナが孵化していることが確認され、うち2羽は途中で死亡してしまいましたが、残った2羽のヒナが大きく成長していました。

 もう一羽のヒナも羽ばたきを繰り返しているので、もうすぐ巣立ちしそうです。(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年6月13日

戸島湿地のもう1羽のヒナも巣立ち

▲巣立ちの瞬間(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

 6月11日午前6時21分、豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地(豊岡市城崎町戸島)の巣塔のヒナが巣立ちました。
 この巣塔では2羽のヒナが成長していて、うち1羽は6月9日に巣立っていました。

 このヒナは巣から飛び立って城崎温泉方面に飛んで行き、しばらくの間、どこに行ったのか分かりませんでした。

▲巣から飛び立って、城崎温泉方面へ

 心配したたくさんの人が市内のいろいろな場所を探しましたが、その日の午後に巣塔の近くに戻ってきて、ほっとしました。

 これで今年の巣立ちは3羽目。次はどこの巣塔のヒナが巣立つかな?

2009年6月17日

野上の巣塔のヒナが成長

▲大きく成長した3羽のヒナ

 豊岡市野上の電柱上の巣塔のヒナが、親鳥と同じくらいの大きさに成長しました。

 15日午後3時ごろには親鳥が交互に巣塔に戻り、ヒナにエサを与える様子が目撃されています。
 また、16日午前10時ごろにはヒナのうち1羽が活発に羽ばたきし、10~20cmジャンプしている様子が目撃されています。

 4月23日に親鳥がエサを与える様子が初めて目撃されているので、孵化からもうすぐ2ヶ月が経ちます。巣立ちまでもう少しでしょうか。

2009年6月18日

小坂小学校近くの田んぼで

 6月12日午後4時ごろ、豊岡市出石町鳥居の豊岡市立小坂小学校南東の田んぼの様子です。

 2羽のコウノトリが離れてエサを採っていました。

▲オタマジャクシを、パクッ(後ろの鳥はアオサギです)

 約1時間、休むことなくパクパクと食べ続けていました。この田んぼにはオタマジャクシがいっぱいいるようです。
 
 よく見てみると、昨年巣立ちしてから各地を転々とし、先日豊岡に帰ってきたJ0009。豊岡以外でも生活できるのですが、これからもしばらく豊岡にとどまるのでしょうか。

▲お食事中でしたら、ごめんなさい。

2009年6月26日

伊豆の巣塔のヒナが成長

▲大きく成長した3羽のヒナ

 豊岡市出石町伊豆の巣塔のヒナが大きく成長しました。
 5月12日に2羽、18日にもう1羽の孵化が確認され、その後順調に育っています。

 6月24日の午前中には、親鳥(J381 オス)が出石町田多地、袴狭あたりの田んぼでエサを採る様子や、巣塔でヒナにエサを与えている様子が目撃されています。

 

2009年7月 2日

野上のヒナが巣立ち

 6月29日早朝、豊岡市野上の巣塔のヒナ2羽が巣立ちました。1羽目は4時半ごろ、2羽目は6時過ぎでした。
 今年の巣立ちは豊岡市百合地(1羽)、豊岡市城崎町戸島(2羽)に次ぐものです。

▲1羽目に巣立ったヒナ

▲2羽目に巣立ったヒナ

 この2羽の巣立ちの写真は入手できませんでしたが、湿地に降りたり、巣塔に戻ったりする様子が目撃されています。

▲一緒にエサ探し

 さらに、今日午後1時30分ごろ、3羽目のヒナも巣立ったとの情報が入りました。これで今年の巣立ちは計6羽。残る豊岡市出石町伊豆の巣塔のヒナ3羽も、元気に巣立つといいですね。

2009年7月 8日

成長した稲とコウノトリ

 7月になり、稲がずいぶん大きく成長しました。

 ちょっと前までは、コウノトリが田んぼの中にいても足環が見えたのでどのコウノトリかが分かりましたが、今は稲に遮られて足環が見えません。

 これらの写真は7月1日に撮影されたものですが、稲が大きくなっても、たくさんのコウノトリが田んぼにおりてエサを採っている様子が目撃されています。

▲豊岡市香住の水田でエサを採る2羽(J0011とJ0382らしい)

▲豊岡市出石町嶋で羽についた雨を払うJ0381

▲豊岡市出石町上野の山際の水田でエサを採るJ0009

▲豊岡市駄坂の水田で休憩するJ0003

2009年7月13日

田んぼでたくさんエサを採らなきゃ

▲カエルを捕まえたJ0296

 7月5日(日)11時前後のJ0296(平成13年生まれのメス、平成17年放鳥)の様子です。
 豊岡市出石町宮内、水上あたりの田んぼでエサを採る様子が目撃されています。

 J0296はJ0381(平成16年生まれのオス、平成18年放鳥)とともに出石町伊豆の巣塔で3羽のヒナを育てています。
 飼育下のコウノトリは1日に約500g(ドジョウに換算すると約80匹)のエサを食べますが、ヒナのときはエサの量がその2倍(約1㎏!)になります。

 毎日約1kgのエサを待っているヒナが3羽。親鳥たちはたいへんです。

▲ひぼこホールの近くで

▲出石のカントリーエレベーター(お米の乾燥・調製施設)の近くで

2009年7月21日

伊豆の巣塔の2羽が巣立ち

 豊岡市出石町伊豆の巣塔のヒナ2羽が7月16日と17日に巣立ちました。

▲1羽目の巣立ち(7月16日(木)12時19分)
 
 この巣塔では5月12日と18日に合わせて3羽の孵化が確認され、順調に育っていました。

▲2羽目の巣立ち(7月17日(金)12時22分)

▲田んぼに降りたヒナ

 巣に残るヒナは1羽。このヒナももうすぐ元気に巣立ってくれると思います。

2009年8月 6日

田んぼに入ったら、頭しか見えない

▲田んぼでえさを探すJ389

 7月25日10時過ぎのJ389(平成16年生まれのオス。平成18年に円山川河川敷から放鳥)の様子です。豊岡市森津の田んぼに入っています。

 田んぼの稲は、コウノトリの首から下を隠してしまうほど、大きくなりました。

 田植えのころと違って、田んぼでコウノトリを見つけることが難しくなりましたが、コウノトリも田んぼでエサを見つけづらくなっています。

▲6月上旬の田んぼの様子
 
 それでも、コウノトリが田んぼの中を歩き、エサを採る様子が目撃されています。

2009年8月10日

伊豆の巣塔の3羽目が巣立ち

▲巣立ちの様子

 8月8日(土)午前6時56分、豊岡市出石町伊豆の巣塔の3羽目のヒナが巣立ちました。

 この巣塔では5月12日と18日に3羽のヒナが孵化し、そのうち2羽は7月16・17日に順調に巣立ちました。

 しかし、この1羽は途中で風切り羽が抜けてしまい、飛び立つことができませんでした。

 この原因は、「12日に生まれて先に大きくなったヒナがエサを独占してしまい、18日に生まれたこのヒナはエサを食べられなかったのでは」、「病気なのでは」という話もあり、とても心配していましたが、これで一安心です。

▲先に巣立った2羽と一緒にエサ探し(右が8日に巣立ったヒナ)

 これで今年の巣立ちは終わりです。今年は9羽が巣立ちました。

2009年8月17日

伊豆の幼鳥を保護

▲保護された幼鳥

 8月15日午後2時ごろ、兵庫県立コウノトリの郷公園の職員が豊岡市出石町伊豆でコウノトリ1羽を保護しました。

 保護したコウノトリは8月8日にこの近くの巣塔から巣立ちましたが、風切り羽が抜けていて、うまく飛ぶことができません。

▲水路でエサを採るコウノトリ

 この日は前日に引き続き水路に下りていましたが、水路から上がれない様子。今後、コウノトリの郷公園において検査などが行われます。(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年8月31日

夏の終わりの出石川あたり

▲豊岡市加陽のビオトープ水田から飛び立ったJ0382(平成18年に豊岡市河谷から放鳥した個体)

 8月24日、豊岡市加陽のビオトープ水田や豊岡市出石町嶋あたりにいたコウノトリの様子です。

 
▲豊岡市出石町田多地の水田から飛び立った幼鳥(今年7月に豊岡市出石町伊豆の巣塔から巣立った個体)

 豊岡では、この日くらいから秋の風に変わったように感じました。さわやかな風の中、大空を舞うコウノトリや、出石川に入って休憩するコウノトリが目撃されています。

▲出石川(豊岡市出石町嶋付近)で休憩する幼鳥(今年7月に豊岡市出石町伊豆の巣塔から巣立った個体)

2009年10月15日

ヘビも食べる

 10月9日 豊岡市下鉢山の田んぼで6羽のコウノトリがエサを採っていました。

▲田んぼで休憩中

 すっかり稲刈りが終わった田んぼでは、エサが見つけやすくなりました。

 そのうち1羽がヘビを見つけ、パクッ。

▲ヘビをくわえた

 コウノトリは飼育下では1日に500グラムのエサを食べます。
 500グラム分のバッタを食べるのはたいへんですが、ヘビなら少し楽ですね。

▲出石川の堤防の近くを飛ぶ 

2009年10月20日

穏やかな円山川で

 10月12日 豊岡市上佐野、土渕(ひじうち)あたりの円山川の様子です。
 
 2羽のコウノトリが蓼川大橋下流の浅瀬で休憩し、うち1羽は豊岡市出石町伊豆方面に飛び去りました。

▲浅瀬で休憩中のJ296

 しばらく経ってから別の1羽が円山川に舞い降り、もう1羽に接近しました。

▲円山川に舞い降りた後、飛び上がるJ008
 

▲J296とJ008
 
 5年前の平成16年10月20日、台風23号の豪雨により円山川の様子は一変し、豊岡市では死者7名、重傷者23名、床上浸水以上5,164世帯という大きな被害を受けました。

 こんなに穏やかな円山川を毎日見ていたいですね。
 

2009年10月22日

大阪府枚方市にお出かけ

 10月20日午前10時ごろ、大阪府枚方市の淀川に5羽のコウノトリがいることが分かりました。

▲淀川の5羽 (写真提供:上田信也氏)

 この5羽は平成18年から今年にかけて豊岡で巣立ったコウノトリです。(自然界でなく放鳥拠点から巣立ったコウノトリ1羽を含む。)

 淀川でもエサがいっぱい採れるかな。

2009年11月 8日

コウノトリ放鳥

 10月31日(土) 豊岡市但東町唐川で2羽のコウノトリが放鳥されました。(羽の●は識別マークです)

 ケージのネットを開けて放鳥された2羽は4歳のオスとメス。今年7月からこのケージに移され、地域の環境に慣れるよう飼育されてきました。

 放鳥式では、来賓代表の柳生博さん(コウノトリファンクラブ会長)が、「この地域ではほとんどの農家がコウノトリ育む農法に取り組まれている。その農家のみなさんの願いが実現した。」「野生に戻ったコウノトリがこのような素晴らしい取組みをしている各地に飛んで行って、その人たちの取組みを表彰してあげてほしい」とおっしゃっておられました。

2009年11月22日

愛知県で2羽目撃

 11月21日午後1時過ぎに愛知県江南市曽本町で2羽のコウノトリが目撃されました。
 
 足環等によって確認したところ、1羽は10月31日に豊岡市但東町唐川で放鳥した4歳のオスでした。

 そして、もう1羽は8月8日に豊岡市出石町伊豆の人工巣塔から巣立ちした0歳のオス。風切り羽が抜けてうまく飛べなくなって保護され、11月10日に空に放した個体でした。

▲兵庫県立コウノトリの郷公園の飼育員から空に放たれたJ018

▲きちんと飛べるようになりました。

 この2羽は11月20日午前7時30分過ぎに京都府京丹後市にいたことが分かっています。

 遠くまで飛んで行けるくらい元気になって、よかったです。(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

2009年12月 1日

晩秋の田んぼで

 11月30日、豊岡市出石町伊豆~宮内あたりの田んぼや水路で5羽のコウノトリがエサを採っていました。

▲水路を飛び越えるJ014
 
 5羽のうち2羽は今年6月に豊岡市城崎町戸島の巣塔から巣立ちしたJ013とJ014。それぞれ単独でエサを採っていました。

▲水路から飛び立つJ014

 この2羽は初めての冬を迎えます。生きものが冬眠してエサが少なるけど、がんばってね。

▲紅葉の山をバックに

2009年12月 2日

コウノトリの郷公園上空を舞う

 12月1日 兵庫県立コウノトリの郷公園の上空を3羽のコウノトリが舞っていました。翼を広げると2メートルもある大きな鳥。大空を舞う姿は、とても優雅です。


 
 先日、ある新聞社の方と一緒にこの近くを通りかかったところ、10羽以上のコウノトリが舞う姿を目撃しました。「何度か豊岡に取材に来ているけど、コウノトリが飛んでいる姿を見たのは初めて。大きくて、きれいで感動しました。」とのこと。

 ここ数日、暖かいいい天気が続いています。青空と紅葉がきれいです。

2009年12月11日

霧のなかで

 12月5日の朝、豊岡らしい深い霧の中で3羽のコウノトリがエサをとっていました。

▲エサをとるJ004

 エサをとっていた場所は豊岡市森津。ここにいた3羽のコウノトリは、去年豊岡市百合地の巣塔から巣立った1羽(J004)と今年豊岡市出石町伊豆の巣塔から巣立った2羽でした。

 J004は水が張ってある水田で小さなエサをたくさん食べていたようです。

2009年12月18日

冬期湛水の田んぼにコハクチョウが

 豊岡のいくつかの田んぼでは、冬期湛水が行われています。

 一般的な田んぼでは稲刈り後から田植え前まで水を抜き、乾燥させますが、冬期湛水の田んぼでは11月ごろから田んぼに水を張り、生きものを育みます。

 12月10日、豊岡市百合地の冬期湛水の田んぼにコハクチョウ6羽が飛来していました。

 その近くの冬期湛水の田んぼでは、1羽のコウノトリがエサをとっていました。

 どんな生きものがいるのかな。

2009年12月30日

試練の冬

 12月25日と29日に相次いでコウノトリ死亡の連絡がありました。

 25日に石川県で発見されたのはJ018。今年8月に豊岡市出石町伊豆で巣立ったものの、一時保護され、11月10日に空に放たれた個体です。11月中旬から、京都府、福井県、愛知県、長野県、富山県、石川県あたりにいたことが分かっています。

 一方、29日に三重県で発見されたのはJ398。今年10月に豊岡市但東町唐川から放鳥した個体です。こちらは11月中旬から神戸市、和歌山県、三重県にいたことが分かっています。

 コウノトリにとって、生きものの冬眠などによりエサが減少する冬は過酷な季節です。

 この2羽の死亡によって野外で暮らすコウノトリは36羽になりました。無事に冬を越せますように。

2010年3月21日

次々に卵が産まれています

 今年も、コウノトリが野外で次々に卵を産んでいます。
 今日までに産卵が確認された卵は16個。確認された順に、

 2月21日 豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地内の人工巣塔(4個)

 2月23日 豊岡市百合地地区の人工巣塔(6個)

 3月12日 豊岡市日撫地区の電柱上(2個。うち1個は破卵)

 3月15日 兵庫県立コウノトリの郷公園内の仮設人工巣塔(4個。うち1個は破卵) です。

 今年もたくさんのヒナが生まれますように。


▲百合地地区人工巣塔の卵


▲日撫地区電柱上の卵


▲コウノトリの郷公園(非公開ゾーン)仮設人工巣塔の卵

写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園

2010年3月29日

今年もヒナ生まれる

 3月27日12時56分、豊岡市百合地地区の巣塔で2羽のヒナが孵化していることが確認されました。

▲高所作業車から撮影した巣の様子(写真提供:兵庫県立コウノトリの郷公園)

 このヒナの両親(J228(平成10年生まれのメス)とJ275(平成12年生まれのオス)・いずれも平成18年に河谷放鳥拠点から放鳥)からのヒナ誕生は4年連続です。

 また、豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地内の巣塔でもヒナが孵化しています。

 今年もコウノトリの子育てが始まりました。

2010年3月30日

ハチゴロウの戸島湿地のヒナ

 3月28日(日)豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地内巣塔でヒナの誕生が確認されました。

▲両親と1羽のヒナ

 この写真は、昨日(29日)午後に巣塔近くの山から撮影されたものです。

 写真を見たとき、「他の卵があるのに、親鳥が温めていない」と心配しましたが、撮影者は「ずっと卵を温めていたのでヒナの写真が撮れず、山の中で2時間半待った」とのこと。

 次のヒナの誕生を期待しましょう。

2010年4月 2日

雨の戸島湿地で

 昨日(4月1日)、豊岡では時折雨が降りました。

 豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地に行ったところ、巣塔でじっとするコウノトリの姿がありました。
 管理棟のモニターテレビを見てみると、

▲ヒナや卵を風雨から守るコウノトリ

 確認しているヒナは1羽だけですが、「もう1羽見えた」という情報も。

 管理棟にはモニターテレビや望遠鏡があり、コウノトリの子育ての様子をアップで見ることができます。ぜひお越しください。

※豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地
 〒669-6103 兵庫県豊岡市城崎町今津1362番地
 ℡ 0796-20-8560

2012年4月18日

ヒナの誕生

 城崎町の戸島湿地の巣塔で今季初めてとなるヒナの孵化が確認されました。4月2日に2羽のヒナが確認され、順調に育ってくれれば巣立ちは6月上旬になるそうです。13日には出石町伊豆の巣塔でも2羽のヒナが確認されています。
 また、豊岡市百合地地区、福田地区、山本地区、野上地区の巣塔では現在、抱卵中とのことで、これからのベビーラッシュが楽しみです。

写真は巣塔裏山から撮影したものです。


2012年10月19日

六方たんぼのペアコウノトリ

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六方たんぼのコウノトリのペアです。仲良く羽を休めてます^^

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