西日本最大の温湯消毒施設完成 薬剤を使わない種子消毒で、環境に配慮した米作り推進

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 JAたじまは、環境に配慮した米作りの一環で、豊岡市出石町に水稲種子の温湯消毒施設を建設しました。JA全農によると、同施設の処理能力は西日本最大を誇ります。従来JAでは、水稲種子の消毒は薬剤を使用していましたが、今後は薬剤を使用しない温湯消毒に切り替えます。国が目指すみどりの食料システム戦略と、人と環境にやさしい環境創造型農業の一層の推進を図ります。

 2023年度からは、JAが取り扱う475千箱の全ての種子を同施設で消毒します。毎時600kgの種子消毒が可能で、フル稼動すれば1カ月で90tから100tが処理できます。同施設の建設には、農水省の産地生産基盤パワーアップ事業を活用して実施しました。

 温湯消毒は、種子を60℃のお湯に10分間浸して行います。種子伝染性のばか苗病などに対し化学薬剤消毒と同等の防除効果が見込め、減農薬栽培につながります。

 温湯消毒施設の完成に際し、3月1日に神事式と稼動記念式典を行いました。工事関係者や行政、JA役職員ら約30人が参加しました。JAの太田垣哲男組合長は「今後も環境創造型農業のさらなる推進を目指し、消費者に安全・安心な農産物を供給したい」と話しました。式典では、テープカットや消毒機械の起動などが行われました。稼動開始は3月末頃を予定しています。