温湯消毒で種もみ62t処理完了 水稲苗供給準備進む

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 環境に配慮した米作りを推進する兵庫県のJAたじまは4月下旬に、JA供給予定の種もみ約62tの温湯消毒を終えました。令和5年度から、水稲種子の消毒方法を薬剤から温湯消毒に全量切り替えており、水稲栽培面積に換算すると約2870haですJAでは、種子消毒を環境に優しい方法に変えるほか、減農薬・無農薬栽培米の栽培面積拡大をすすめ、国が目指す「みどりの食料システム戦略」の推進を図っています。

 温湯消毒は、昨年3月にJAが豊岡市出石町に建設した施設で行っています。毎時600kgの消毒が可能で、処理能力は西日本最大です。5kgずつに小分けした種もみを、機械が自動で60℃の湯に10分間浸透させた後、10℃の水に15分浸し脱水機にかけています。種子伝染性のばか苗病やいもち病などに対して、化学薬剤消毒と同等の防除効果が見込め、減農薬栽培につながるほか、従来の化学薬剤消毒の廃液処理にかかるコストや環境負荷の問題も解決できます。

 消毒後の種子は、JA育苗センターから組合員へ提供する苗に使用するほか、組合員個人が育苗する水稲苗にも使用される。JA管内では、現在育苗作業がピークを迎えています。

 JAでは今後、環境に優しい米のブランド「コウノトリ育むお米」やJAブランドの特別栽培米など18品種・苗箱約45万枚分を、4月下旬から5月中旬まで組合員に順次供給する予定です。