香住梨の新たな担い手 香美町で初の地域おこし協力隊から新規就農 福井功一さん

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 美方郡香美町香住区で香住梨を栽培する福井功一さんは、同町の地域おこし協力隊として梨栽培について学び、今年に念願だった独立を果たしました。地道な活動と人との輪を広げる過程を大切にしながら、香住梨「二十世紀」や兵庫県オリジナル梨「なしおとめ」を栽培します。

 福井さんは大阪府出身。幼少期から植物に関心があり、大学では環境学部に入学しました。講義で農業を体験したことで興味を持ち、就職活動も農業法人を中心に探していました。その中で、同町の梨栽培の体験を行い、強い関心を持ったことで農家になることを決意。他の地域の農業を学ぼうと、山口県周南市で観光農園に就職しました。2年間、梨とブドウの栽培方法や接客について学び、技術や知識を身につけました。

 その後、同町の地域おこし協力隊に着任。香住梨を栽培するベテラン農家の元で技術を磨き、圃場の継承を目指しました。「知らない地域に飛び込んでも、人とのつながりも経営もうまくいかない」という考えを持ち、地域住民や区長とのコミュニケーションや、草刈りなどの奉仕活動など地道に活動を重ね、地域に受け入れられていきました。

 今年、独立した福井さんは、30aの梨の圃場を継承。栽培では、木に活力を与え高品質な梨をつくるため、土づくりを大切にしています。同町の特産紅ズワイガニ「香住ガニ」の殻が入った有機肥料や、牛糞堆肥などの有機堆肥を使い、微生物に分解してもらうことで、長く肥料の効果を土と木に届けることができます。収穫した梨約7t9月中旬まで、香住選果場直売所で販売した他、大阪や豊岡の市場、JAファーマーズマーケット「たじまんま」に出荷しました。

 福井さんは「将来は、農地を1haに広げ、収穫や栽培過程を体験できる観光農園の運営を目指す。目標に向けて、地道に焦らず取り組み、おいしい梨をお届けするのでぜひ応援していただきたい」と話しました。