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コウノトリ育むお米

活動レポート

スマート農業プロジェクト開始 コウノトリ育む農法で実験

2018.06.01

180531smart1.jpg コウノトリ育むお米生産部会の生産者4人が、地域農業の振興と所得向上を目的に新たな取り組みを始めました。豊岡市と大手通信会社のKDDIとの共同で、インターネットを活用して「コウノトリ育む農法」(無農薬)の水管理をするシステムの実証事業。ほ場に設置した水位センサーが計測したデータをスマートフォンなどで確認できる仕組み。情報通信技術などを活用し、超省力・高品質生産を実現する「スマート農業」の確立を目指します。

 一度絶滅したコウノトリが生息しやすい環境を作ろうと、生産者やJA、行政などが一体となって、農薬や化学肥料に頼らない「コウノトリ育む農法」の普及拡大に取り組んできました。平成15年度に0.7haで始まった農法による稲作は、平成29年度には約400haまで拡大しました。

 同農法は、一年間で水田に水のある期間を長くすることで生き物も育むことが特徴。そのために田植えの1カ月前から水を張ったり、除草剤を使わず雑草を生えにくくするために田植え後は水位8cmを目安にするなど、通常より細かい水管理が必要です。特に大規模農家は水位の見回りに時間と労力がかかっているのが現状です。

 実証事業では、日高町や但東町など市内の4つの大規模農家のほ場計13.5haにセンサー60本を設置。通信装置が内蔵された高さ1.7mのポール状のセンサー(単2電池3本で約6カ月可動)で、水位、水温、地温を計測します。1時間ごとに計測値を、インターネットを通じてスマートフォンなどで確認することができます。一定の水位を上下すれば異常としてメールで通知が届く機能もあります。

 実証実験に協力する坪口農事の平峰英子さん(写真左)は、「家族が毎朝約2時間かけて水位を確認しています。水の管理は本当に大変だけど自宅で確認できて助かる」と話しました。(有)植田農園の植田博成代表は、「データは正確で田んぼに行かなくても状況がわかる。省力化できれば面積拡大もできる」と話していました。

 実証期間は2年間で、稲刈り時期まで設置します。データを集めて気候や土質の違いなど、地域の状況に応じた営農指導などにも活用し、収量の向上や品質の安定化を目指します。