有機栽培米が豊岡市内の学校給食に登場 

230111JAたじま 兵庫県豊岡市内の学校給食で無農薬米を試験導入.jpg 兵庫県豊岡市はJAたじまと連携し、市内の全小・中学校の学校給食で提供される米を全量、有機栽培米に切り替えます。市によると、学校給食に有機栽培米を通年で使う例は全国でも珍しいです。切り替えに必要な年間約90tを安定供給できる生産体制を整えます。今月も行う試験提供を今後も重ね、2025年度からの全面転換を目指します。

 学校給食に使うのは、生き物との共生に配慮して栽培するブランド米「コウノトリ育むお米」。一度は絶滅したコウノトリの復活に取り組む同市が管内の同JAが展開しています。

 同ブランド米は農薬の使用量に応じ、①減農薬タイプ②無農薬タイプ③有機JAS――に分かれます。いずれも化学肥料は使っていません。そのため「減農薬タイプ」は特別栽培、「無農薬タイプ」は有機栽培に当たります。「有機JAS」は、「無農薬タイプ」のうちJAS認証を受けたものです。

 市とJAは07年から、市内の学校給食で「減農薬タイプ」を提供してきました。今回、これを「無農薬タイプ」に切り替えます。市によると、学校給食に有機栽培米を通年で使う事例は千葉県いすみ市などに限られます。提供されるのは市内の公立小・中学校全34校。市内では1日約7000食の給食が提供されています。

 学校給食で提供する「無農薬タイプ」の品種は、同ブランド米の主力の「コシヒカリ」ではなく、多収で良食味の「つきあかり」。学校給食への提供に向け、JAが21年産から本格生産に乗り出しました。22年産の生産量は8t。増産を進める方針です。

 今月11日からは2週間限定で「無農薬タイプ」を試験提供します。児童からは「いつもより甘くておいしかった」「より安全なお米が食べられてうれしい」との声が上がりました。23年度以降も試験提供を重ねる計画です。

 JAコウノトリ育むお米生産部会の村田憲夫部会長は「既に減農薬で栽培している部会員に無農薬を勧め、栽培面積の拡大に努めていきたい」と強調。成田市雄顧問は「長年の夢が実現してうれしい」と話しました。