支店・営農生活センターの一体化運営進める 情報共有を促進し組合員・利用者の利便性向上へ
JAたじまは令和6年度から、組合員・利用者の利便性向上を目的に、支店と営農生活センターの一体化運営に乗り出します。支店・営農生活センターそれぞれの業務の縦割り意識解消をすすめ、職員間の情報共有を促進し、組合員・利用者のニーズに適切に対応できるようにすることを目指します。
全国的にJAの経営環境が一段と厳しさを増す中で、支店・営農生活センター等の店舗数の合理化を余儀なくされているJAは少なくありません。JAたじまは店舗拠点を残し機能を集約することで、経営改善につなげたい考えです。
一体化運営を実現するために、JAでは10年ほど前から、若手職員から管理職まで幅広い職員を対象に、部門をまたいだ人事異動を積極的に行ってきました。今回の機構改革は、JA職員として担当業務の域を超え多岐にわたる総合的知識を身に付け、さまざまなサービスの提供をワンストップで対応することが出来る人材育成も目標の一つです。
一体化運営について具体的には、支店管内を事業エリアとする営農生活センター職員を支店の営農担当として配置。旧営農生活センターのセンター長は支店の営農担当次長とし、それぞれの事業統括は支店長が受け持ちます。JAの山下正明専務は「一体化支店の支店長には、『地域の顔』として活躍することを願っている。そのためにも、業務を遂行する中で、職員間の連携による情報共有を強化し、スピード感を持って対応してほしい」と期待を寄せます。
令和6年度は、22の支店・12の営農生活センターのうち、4つの営農生活センターを支店に統合。2年後の令和8年度には、全ての営農生活センターを支店に集約する計画です。
今年度、一体化運営に取り組むJA但東支店(兵庫県豊岡市)では新たな取り組みとして、信用や共済、融資などを取り扱う総合渉外と、営農相談員が合同で打ち合わせを開いています。5月21日の打ち合わせでは、それぞれ部門の事業目標を共有したほか、「ある農家の孫が出産予定で、子ども共済を勧めてみてはどうか」「定年退職する兼業農家に、新しい栽培品目を提案してみよう」など活発な意見交換が行われました。但東支店の堀田和則支店長は「農家組合員に対してサービスを向上させるだけでなく、地域の利用者に身近なJAだと感じてもらえるような支店づくりに力を入れたい」と話しました。