鳥獣害に負けない地域づくりを 獣害対策で地域が活性

JAたじまや行政などでつくる但馬広域営農団地運営協議会は11月7日、養父市で鳥獣害防止対策研修会を開きました。「獣害に負けないムラづくり」をテーマに、兵庫県の鳥獣被害の現状確認や、村おこし・地域活性化の手段として鳥獣害対策を"活用"した事例を学びました。
但馬全域から、集落の農会長や区長、農産物の生産部会員ら約180人が参加しました。兵庫県森林動物研究センターの尾畑俊彦森林動物専門員が「兵庫県の鳥獣被害の現状と対策」をテーマに講演。クマによる被害が全国的に問題となっていることから、クマの生態や行動パターンにもとづくクマ対策について解説しました。事故防止の最善策は、身近な放置果樹などをなくすこと、鈴などで自分の存在を知らせクマに出会わないことであることを伝えました。
特別講演として、宍粟市波賀町皆木集落の牛谷宗明さんと、兵庫県立大学の山端直人教授が講演を行いました。牛谷さんは「皆木地区獣害対策の取組」と題し、令和2年から地域ぐるみで取り組んでいる獣害対策活動を共有。山端教授の助言のもと、効果的な箱わなや電気柵の設置と情報共有を地域ぐるみで継続的に行い、獣害被害9割減を達成。放棄田の再作付けをするなど、地域が活気づいたと報告しました。
山端教授は「暮らしを守る獣害対策とそのポイント」と題して地域主体で獣害対策を行っているモデル集落を紹介した。正しい獣害対策を行い獣害に強いムラ・地域づくりを進めれば必ず成果は出ると伝え、重要なのは地域ぐるみで「護る、獲る、共有する」ことが大事であると訴えました。
参加者は「獣について知ること、対策の改善と継続をすることが大切と気づけた。集落で新たな害獣対策に取り組み、被害ゼロを目指したい」と話しました。
当日は鳥獣害対策資材メーカーが電気柵など獣害対策用の資材を展示し、参加者はメーカー社員から熱心に説明を聞きました。
