たじまピーマン ハウス栽培実証進める 収穫期間延長と品質安定で所得向上へ
JAたじまの重点振興品目「たじまピーマン」を生産する数軒の農家が、生産量増加を目指し、ハウス栽培の実証を本格的に進めています。露地栽培と比べて収穫開始時期が早まり、収量増加が見込めることに加え、雨風から守れることにより品質安定が期待でき、所得向上につながるためです。生産者やJAらは今回の実証を踏まえて、今後のハウス栽培普及等に役立てる方針です。
「たじまピーマン」は、実が肉厚で苦みが少ない夏秋ピーマン。たじまピーマンを生産するピーマン協議会は令和6年度、545tを生産し、主に京阪神の市場へ出荷しています。関西最大級の出荷規模を誇る一方で、生産量は近年横ばいです。そのような中で、今年度の定植本数は部会設立以来過去最高の11万7,000本で、生産者をはじめとした各関係機関が協力し合って産地振興に取り組んでいます。
露地栽培での収穫期間は6月上旬から11月末のところ、ハウス栽培は1カ月早くかつ1カ月遅くまで収穫できることで、計2カ月間ほど延びます。昨年被害があったカメムシ対策につながり、製品率が上がるのも大きな利点です。今年度は、4人のピーマン農家がハウス栽培に取り組んでいます。
ピーマンのハウス栽培に取り組む豊岡市但東町の能勢明宏さん(写真)は、露地に1,000本、ハウス内に830本定植しました。ハウスは昨年、県のリース事業を活用して3棟建てたそうです。品種は、以前から栽培している「京ひかり」と、ハウス栽培に合う「京波」。5月16日から出荷を始め、徐々に出荷量も増えてきており、品質も上々です。能勢さんは「今後は、ハウス栽培の規模拡大を進め、最終的には完全に切り替えたい。ハウス栽培のモデルケースとして、1本あたりの収量を昨年実績で1.5倍ほどを目指し、他の生産者にも普及させたい」と意気込みを語りました。