雪害の岩津ねぎ 一層甘み強い「雪折れ岩津ねぎ」として販売 生産者ら規格確認

2017.02.10

170209meawase.jpg 朝来市特産「岩津ねぎ」の生産者、兵庫県、朝来市やJAたじまなどで組織する朝来市岩津ねぎ生産組合は、1月の豪雪で甚大な被害が出た岩津ねぎの出荷対応策として、臨時的に特別な出荷規格を定めました。

 特別出荷規格の設定を受け、JAたじま岩津ねぎ部会は2月9日、10日の両日、和田山農業倉庫と朝来営農生活センターで出荷目合わせ会を開催。生産者約70人が参加し、JA職員が規格の内容や調製時の注意点などを説明しました。

 

 従来、岩津ねぎは、全長70~90cm、軟白部の長さが25cm以上で葉の枚数は2~3枚など、厳しい出荷規格を定めています。今回、雪の被害を受けた岩津ねぎを対象に設けた規格では、軟白部の長さは従来通り25cm以上とした上で、傷みが激しい青葉は除去し、全長45~60cmで可、葉の枚数は1枚以上、通常1袋320gの量目を350g以上などとして出荷。対象の岩津ねぎには「雪折れ」と書いたシールを貼り、「雪折れ岩津ねぎ」として販売します。同JAでは15日から特別出荷規格品の荷受けを始め、早ければ16日には店頭に並びます。

 同部会の井上文夫部会長は、「雪除け用資材でも防ぎきれない大雪の影響で、生産者には大変な苦労をかけるが、岩津ねぎを待つ消費者に届けられるよう1本でも多く出荷しよう」と呼び掛けました。生産者の一人は、「雪に埋もれて寒さに当たった岩津ねぎは、柔らかさや甘みが一層増しておいしくなる。見た目より味で選んでもらいたい」と出荷に意欲を見せていました。

 JAの担当者は、「生産者の負担が増え、生産意欲の衰退、栽培面積の減少につながることのないよう、可能な支援策を関係機関と協議してきた。生産者の努力が少しでも報われるよう、JAは販売に尽力していく」と話しました。

 調査の結果、岩津ねぎの被害面積は、朝来市全域で全作付面積の4割に当たる12ha。被害が著しいほ場が8~10ha、雪除け資材のネットで被害を軽減できたが2haのほ場でも被害が見られました。