但馬牛のルーツを訪問 歴史と課題を学ぶ 美方支店

JAたじま美方支店(美方郡香住町小代区)は11月11日、地域ふれあい活動の一環として、「和牛の聖地」と呼ばれる兵庫県美方郡香住町小代区の廃村・熱田集落のウォーキングを開催しました。16人が参加し、兵庫県景観遺産として登録されている但馬牛のふるさと「あつた蔓」ゆかりの地を散策しました。
同集落に住んでいた吉田真佐子さんが、案内役となり、和牛の授精所や熱田分校など5箇所を巡りました。吉田さんの生家では玄関奥の牛小屋「厩(まや)」を見学し、一つ屋根の下で人と牛が同居していた当時の暮らしぶりや熱田集落の歴史、景観維持の課題について学びました。
国内の黒毛和牛の99.9%が群産の名牛「田尻」の血統を引き、その「田尻」が同集落発祥の血統「あつた蔓」から生まれたことから、但馬牛のルーツとして畜産関係者に知られています。2023年に兵庫美方地域「人と牛が共生する美方地域の伝統的但馬牛飼育システム」の世界農業遺産認定を受けたことで地域住民からもあらためて注目されている一方で、標高700mの豪雪地帯に位置するため、建物の老朽化が進み景観維持が課題となっています。
和牛文化の原点として、地域住民の理解と協力を得ながら景観を守る取り組みが求められているため、地域ふれあい活動として企画しました。今年で2回目となります。
JA美方支店の尾崎浩支店長は「地域ふれあい活動を通じて、地域課題の共有・解決に向けた取り組みの一助となればと思う」と話しました。
