野生動物の習性を学び農地を守ろう

2017.10.12

171011jyugai1.jpg JAたじまと行政などで組織する但馬広域営農団地運営協議会は10月11日、豊岡市立日高文化体育館で鳥獣害防止対策研修会を開きました。管内の集落の農会長や区長、農産物の生産者など約250人が参加し、野生動物の生態や被害防止策などを学びました。
 深刻化する野生鳥獣による被害を防ごうと同協議会が毎年開催。西日本農業研究センター鳥獣害対策技術グループ長の江口祐輔さんが「野生動物の行動と被害対策」と題し、イノシシ対策を中心に講演しました。
 兵庫県ではイノシシによる被害が多く、農作物の被害額の約4割を占めています。江口さんは餌となる農産物を田畑に放置しないことや、警戒心が強いので体を隠せる茂みを無くすこと、効果の高い電気柵は電線が鼻先に触れるように20cm間隔に張ることなど、イノシシの習性や効果的な防除方法を説明。野生動物の行動を考え、地域で総合的な対策に取り組むよう呼びかけました。市内から参加した男性は、「先日も豆の収穫前に被害にあったところ。資材をただ設置するだけでなくそれぞれの動物の行動を理解して対策しないと効果がないことが分かった。早速集落で取り組みたい」と話していました。
 兵庫県森林動物研究センターの主任研究員、山端直人さんによる「柵でブロック!捕獲でアタック!」と題した講演や、同センターの動物専門員、井上裕司さんから県の獣害対策事業の説明もありました。