たじまで農業

活動レポート

地域農業を未来へつなぐ 研修会で仕組み学ぶ

2016.12.13

 養父市農業再生協議会と朝来市農業再生協議会は12月7日、南但地域の集落の農業を考える研修会を、総合営農センターで開きました。養父市と朝来市の各集落や営農組織の代表者、行政関係者やJAたじま職員ら約140人が参加し、地域の農業を守り引き継いでいくための仕組みを学びました。

 研修会は、管内の集落営農組織の経営の改善、向上や、新たな組織の設立、人・農地プランの作成を進めることを目的に開催。養父市、朝来市、JAたじまと但馬県民局が共催しました。

161207nantan.jpg 研修会では、長野県で「農村経営者」として地域農業を守る㈱田切農産の紫芝勉代表取締役が、集落の営農組合と農業生産法人の2階建て組織の設立・運営の注意点や、地域の農産物と人材を生かした経営の仕組みを紹介。

 「永続する農業」「環境にやさしい農業」「創造する農業」を経営理念に掲げ、農家を主体に地権者と農業経営者が協力して地域全体で農業を振興、活性化してきた活動を発表しました。紫芝代表は、「営農組合や企業が農地を預かり、能力に合わせて改めて個人に作業を委託するなどして、営農組織だけに負担が偏らない仕組みを作ることが重要だ」と話していました。

 また、特別栽培米「コウノトリ育むお米」の理念にふれ、環境を守り引き継いでいく栽培方法や物語性などで付加価値を高めることの重要性を強調しました。

 研修会ではこのほか、行政関係者らが各市の人・農地プランの推進状況などを説明しました。

 研修会の参加者は、「過疎化や担い手の高齢化により耕作放棄地が増える中、但馬のような中山間地域では大規模な集落営農は難しい。新たな地域農業の仕組みを作っていかなければならない」と話していました。